世界に34人しかいない独立時計師という職業をご存知でしょうか。
独立時計師とは、時計メーカーに所属せずに、自分でアトリエを構えて時計を独自に製作する人物のことです。
手先が器用と言われている日本人も2名いるのですが、今回はその中でも異色の若き職人、菊野昌宏さんについて調査してみました。
菊野昌宏 プロフィール
菊野昌宏(きくのまさひろ)
生年月日 1983年2月8日北海道深川市生まれ
2008年 ヒコ・みづのジュエリーカレッジ 卒業
2011年 A H C I (独立時計職人アカデミー)準会員
2013年 AHCI(独立時計職人アカデミー)正会員
菊野さんは日本人として初めて独立時計職人アカデミーの会員として認められました。
独立時計師アカデミー(Académie Horlogère Des Créateurs Indépendants 、AHCI)とは1985年に結成され、数十人の独立時計師から構成された国際的な組織です。
独立時計師は、1年間に1本の腕時計しか制作できない、あるいは1本のみの制作と決めている時計師もいるほどで、一本当たりの値段はとんでもない金額であったりもします。
それほど難しい職業として活躍している日本人がいるということも驚きですよね。
菊野昌宏さんの作る時計とは
和時計
2011年に菊野昌宏が開発・製作に成功した「不定時法腕時計(和時計)」は、12の干支が書かれた駒(インデックス)が季節の変化に伴って自動的に移動する「自動割駒式和時計(じどうわりごましきわどけい)」です。
不定時法とは、夜明けと日暮れ(昼)、および日暮れと夜明け(夜)までの間を6等分し、それを一刻(いっとき)とする時刻の表示機構ですが、日の出と日の入りの時刻が季節によって変化するため、一刻の長さは日々、変化していきます。江戸時代に日本で製作された和時計は、これに対応するため、季節ごとに干支の間隔が異なる文字盤に交換したり、移動式の駒を手動調整する機構などを開発しましたが、菊野昌宏が製作した「不定時法腕時計(和時計)」はかつての和時計を参考に、この機構を腕時計サイズにまで凝縮した世界初の腕時計です。
この機構における駒は、夏至では昼の駒の間隔が広がり、夜の駒の間隔が狭まります。冬至では逆に、昼の駒の間隔が狭まり、夜の駒の間隔が広がります。
なんだか凄いですね。。
要するに季節ごとのずれさえも自動で調整する時計を開発したということでしょうか。
こちらの和時計のお値段は1本役2000万円ほどとなっています。
折鶴
現時刻を鐘の音で知らせる仕組みを持ったからくり人形のような時計。
こちらはまだ改良段階の様で、非売品です。
トゥール・ビヨン2012
菊野さんはトゥールビヨンも作られているのですね。
トゥールビヨンとは機械式時計において、内部の一部の構造全体を回転させることにより、姿勢差による系統的なズレをキャンセルし克服する機構ないしそれを採用した時計、及び特にその中心部であるそのような脱進器をとりいれた時計ですね。
こちらの値段は1本1000万円ほどです。
朔望(さくぼう)
月の満ち欠けをテーマに作製した時計です。
月齢表示機構のついた時計で俗に言う「ムーンフェイズ」と呼ばれている時計です。
デザインはやはり菊野節ですね!
こちらの値段は500万円ほどです。
購入方法は?
菊野さんの作る時計はすべて菊野さんのホームページからの購入が可能です。
しかし1本ずつ手作りなので1年待ちというのもザラかもしれません。
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